まず住宅を新築する場合、どんなステップがあるか、またその期間はそれぞれどれくらいなのかを説明します。
1. 予算の確定と土地の選定 (1ヶ月〜数ヶ月)
まず自分たちが土地と建物にどれくらいの予算までかけられるのか、住宅ローンを使う場合は銀行で事前審査をしてもらい、借りられる上限を把握しましょう。
次に建物の大きさを大まかに決めましょう。住宅雑誌などで間取りを参考にするだどして大きさを決めます。その坪数により建物にかかる費用を大まかに把握します。(坪単価などを参照)検討がつかない場合は気に入った住宅メーカーや工務店に相談すれば教えてくれます。
総予算から建物価格を引いた残りが土地にかけられる予算となります。
そして土地探し、気に入ったエリアがあれば、近くの不動産屋さんに行って、自分たちの予算に見合った土地があるか相談すると早いです。
候補の土地が見つかったら、現地に行って立地条件や交通アクセス、幼稚園・学校・病院までの距離、日当たりや近隣の雰囲気などを実際に調査することをお勧めします。
ハザードマップで水害や土砂災害の危険がない土地であることの確認も重要です。
予算の確定には、土地や建設費用の他に諸費用や金利などを考慮し、資金計画を立てる必要があります。
2. 建設業者の選定と設計から契約 (1ヶ月〜数ヶ月)
ハウスメーカーや工務店などの展示場や現場見学会などを訪ねたり、インターネットやSNSで自分たちのイメージに合ったところを見つけましょう。
ハウスメーカーや工務店は設計から工事まで一貫してやりますが、建築家や設計事務所に設計を依頼する場合は建設業者も選定する必要があります。信頼性や技術力、価格などを考慮する必要がありますが、設計を依頼した先に紹介してもらうとスムーズに行きます。
設計の打ち合わせには気に入ったイメージ写真を用意していったり、希望を箇条書きにするなどすると打ち合わせが早く進みます。また建物の予算を伝えておくと良いです。あまり夢を含まらせすぎると予算オーバーになるので注意が必要です。
設計が固まったら見積もりが出ますので、予算に合うことを確認して契約となります。建設業者との契約には、建設期間や工事内容、支払い方法などを明確にしておくことも重要です。
住宅ローンを利用する場合は、ローン開始時期と支払い時期が前後することもありますので、つなぎ融資などのことも銀行に確認しておく必要があります。
国や地方自治体が補助金を出してくれることもありますので、確認してそれを使いたい場合は事前に設計者に伝えましょう。補助金対象の要件を設計に盛り込む必要もあります。
3.地盤調査及び建築確認申請と実施設計(1ヶ月〜数ヶ月)
建物の配置(土地のどこに建てるか)が決まったら、地盤調査を行います。結果によっては地盤改良工事が必要になります。この費用は予算に入れてないことが多いですが、長く安心して暮らすために必要な経費として考えましょう。
工事を着工する前には、自治体へ建築確認申請を行わなければなりません。ここでは建築物に法的な問題がないかを検証され、通常1週間程度で工事の許可が下ります。
また、基本設計に基づき詳細な実施設計をします。どんな材料を使うか、色や仕様、照明の位置やスイッチ・コンセントの数など全てを決めて図面に落とし込んでいきます。
4.工事開始から完成(3か月~6か月)
新築工事開始前に土地の整備が必要な場合があります。更地で整地されていればそれほど日数はかかりませんが、既存建築物の解体などからするとその期間も必要です。
整地が終わり着工前には地縄張りをしたり建て主の希望により地鎮祭なども行います。
いよいよ足場を組んで基礎工事開始です。
ここから先は天候や施工条件にも左右されますが、概ね工程通りに進み、3か月から6か月で完成します。
自治体によって違いますが、概ね中間検査(構造の検査)や完了検査が途中で行われます。
5.完成から引き渡し(1週間~3週間)
建設会社の自主検査や建て主による検査などを経て、指摘箇所を手直ししたのちに引き渡しとなります。
引き渡し時には鍵が渡され、自分の家である実感があふれ感動のセレモニーとなります。
まとめ
- 新築の家が建つまでにかかる期間は概ね8~15ヶ月程度です。プラン内容や工法、土地探しにかかる時間などによっても大きく異なりますし、プランを自由に検討できる注文住宅では、2年以上もの時間をかけてじっくり進める場合もあります。
- 家づくりの情報収集からイメージづくりに1~3ヶ月ヶ月程度、比較検討・決定・契約などに3~6ヶ月程度、工事期間は3~6ヵ月程度の時間がかかることが多いです。
- プラン内容や土地から検討する必要がある新築戸建ては、建築にかかる期間が長くなってしまう場合もあります。必要以上に長引かせないためには、条件の優先順位を整理する、土地探しやプランニング期間の期限を決めておくといったことが大切。入居日を決めて、逆算してスケジュールを組むという方法もおすすめです。
おまけ |
弊社㈱ビルドサポート圏央ではセルフビルドの建て方を取り入れています。
セルフビルドとは本来自分自身で工事を行い建てることを言いますが、そのハードルを下げるためにハーフビルドのビルドサポートシステムを作りました。
ハーフビルドはセルフビルドから派生した造語です。基礎・躯体・屋根・外壁など自分では難しいところはプロに任せ、自分でできるところをDIYで家づくりする方法です。
このことは『マツコも知らないセルフビルドの世界』で詳しく説明してますので参照ください。